ナタリア・ナイドハートは、自身がWWEと契約を結ぶ際に直面した困難について赤裸々に語った。外部から見れば「ハート家の血統は有利」と思われがちだが、実際は逆であった。彼女の叔父、ブレット・ハートとヴィンス・マクマホンとの間には深い対立があり、その余波はナタリアのキャリアに暗い影を落とすこととなった。ブレットが殿堂入りした2006年以降も、ファミリーと団体の確執は終わることがなく、様々な家族内の悲劇──オーウェン・ハートの事故死や父ジム・ナイドハートの度重なる解雇──などが重なり、ナタリアの加入には大きな壁が立ちはだかった。
ナタリアは「ハート家には“荷物”が多すぎた。家族の助けではなく自分自身の力で夢を掴むしかなかった」と回顧し、ブレットや父に頼る道はなかったと強調。オーディションテープの送付や地道な努力を積み重ね、自分の腕一本でWWEに認められるため闘い続けてきた。家族の複雑なダイナミクスを抱えたまま、内外での葛藤に耐えながら、その精神力と忍耐力を武器にリングへとたどり着いた。
ナタリアは「大変だったからこそ成長できた。これが私の人生の物語であり、困難を乗り越えた分だけ誇りに思える」と語っている。ハート家の名声や苦悩を超え、自ら道を切り拓いた姿はまさに現代のプロレス界に生きる“本物のレジェンド”である。今や彼女はスマックダウン女子王者やディーバス王者として名実ともに団体の顔の一人となり、若手の育成にも尽力している。
ファミリーの呪縛を乗り越え、己の信念だけで頂点まで駆け上がったナタリア。これからもWWE女子戦線の最前線でその強さと繊細さを発揮し続けるだろう!過去を乗り越えた女、未来を切り拓くレジェンド・ナタリアの歩みに、世界中のファンが熱いエールを送っている!