2026年8月2日(日本時間)、ミネソタで開催されたサマースラム。
この日は統一WWE王座戦やWWE女子王座戦など数々の注目カードが行われたが、最も大きな注目を集めたのは、1日目のメインイベントで実現したブロック・レスナーvsオバ・フェミのヘル・イン・ア・セル戦だった。
レスナーの地元・ミネソタで行われた一戦だったが、会場からは地元の英雄レスナーだけでなく、挑戦者のオバ・フェミにも大きな声援が送られる。
重厚なテーマ曲とともに姿を現したオバは、まるで古代の恐竜が獲物を狙うかのような圧倒的な存在感を放ちながらリングへ向かった。
続いて登場したのはブロック・レスナー。
傍らには長年のマネージャーであるポール・ヘイマンが付き添い、地元ファンから大歓声を浴びながらリングインした。
両者がリングへ上がると、巨大なセルがゆっくりと降下。二人の怪物は互いに鋭い視線を交わし、会場には異様な緊張感が漂った。
まるでティラノサウルス同士が縄張りを巡って対峙しているような光景だった。
試合開始直後はオバが打撃戦でレスナーを圧倒。コーナーへ追い込まれたレスナーは苦しい展開を強いられ、若さと勢いでオバが押し切るかに思われた。
しかし、百戦錬磨のレスナーは冷静だった。
オバをコーナー上で自爆させると、得意のジャーマン・スープレックスを炸裂。190cmの巨体を誇るオバを豪快に投げ飛ばし、一気に流れを引き寄せる。
さらに3発目のジャーマン・スープレックスを狙ったが、オバは雄たけびとともに立ち上がり、強烈なクローズラインでレスナーを場外へ吹き飛ばした。
戦場はリングの外へ移り、セルの金網や鉄階段を利用した壮絶な攻防へ発展する。
レスナーは場外でスープレックスを狙うも、オバの怪力に阻まれる。二人のモンスターによるパワー勝負に、観客からは驚きの歓声が沸き起こった。
オバはレスナーを鉄階段へ叩きつけると、テーブルを設置。レスナーを豪快に投げ飛ばし、テーブルと鉄柵へ激突させた。
大ダメージを負ったレスナーを見つめるヘイマンの表情にも、不安の色が浮かんでいた。
それでもレスナーは反撃に転じる。
リングへ戻ると鉄階段を手にし、オバの頭部へ何度も叩きつける荒々しい攻撃を展開。
さらにジャーマン・スープレックスを連発し、パイプ椅子でも容赦なく打ち据え、試合の主導権を奪い返した。
満身創痍となったオバに対し、レスナーはフィニッシャーのF5を狙う。
しかし、オバはこれを切り返し、豪快なチョークスラムを炸裂。レスナーが再びF5を狙っても、またしてもチョークスラムで迎撃した。
勢いに乗ったオバはパワーボムを決める。
だが、レスナーは驚異のカウント2.9でキックアウトし、会場は騒然となる。
立ち上がったレスナーは雄たけびを上げると、渾身の3連続F5を敢行。
それでもオバは倒れない。
激闘が続く中、レスナーはリングマットを剥がし、木材がむき出しになったリングを作り出す。
そして、その木材の上でツームストン・パイルドライバーを敢行。この一撃は、かつての宿敵アンダーテイカーへのオマージュを感じさせる場面となった。
しかし、それでもオバはカウント2で返してみせる。
驚きを隠せないレスナーはパイプ椅子で追撃を狙うが、オバは豪快な右拳で椅子を弾き飛ばす。
最後は木材が露出したリングへパワーボムを叩き込み、ついに3カウントを奪取した。
モンスター同士の抗争は、オバ・フェミの勝利で幕を閉じた。
まさにパワーハウス同士による圧巻の試合だったといえるだろう。
試合後、激闘を戦い抜いた二人は互いを見つめ合う。
レスナーはオバに歩み寄ると固く握手を交わし、そのまま抱擁した。
そして一言だけ残した。
「俺は過去、こいつが未来だ」
そう言い残したレスナーは、ポール・ヘイマンとともに静かにリングを後にした。
この言葉は引退を示唆するものだったのか。それとも、新時代の到来を認めた言葉だったのか。
レスナーの今後の動向から、ますます目が離せない!