現在もプロレス史上最大の悲劇の一つとして語り継がれているのが、「モントリオール事件」である。
1997年11月9日に開催された『サバイバー・シリーズ』でのショーン・マイケルズ対ブレット・ハート戦の最中、当時WWF(現・WWE)会長だったビンス・マクマホンがレフェリーにゴングを鳴らすよう指示し、ブレットの意思とは無関係に試合を終了させた事件として知られている。
90年代にWWFのブッカーとして活躍したビンス・ルッソは、2023年6月にポッドキャスト番組「Sportskeeda WrestleBinge」に出演。
事件の背景について、興味深い証言を残した。
ルッソは、いわゆる「サニー・デイズ発言」こそが、すべての始まりだったと語る。
「ショーンがすべての発端となった『サニー・デイズ』のプロモーションビデオを撮影した時、私はその場にいました。私がプロデューサーだったんです。問題は、それが生放送だったことです。ショーンは生放送だと分かっていたので、やり直しはできませんでした。彼があの発言をしたことで、すべてが始まったんです。なぜなら、ブレットは『俺の妻がこの番組を見ているんだ』と言ったからです。それが本当にすべてのきっかけになりました。」
「サニー・デイズ発言」とは、ショーン・マイケルズが当時WWFで活躍していた女子マネージャーのサニーことタミー・リン・シッチと、ブレット・ハートが交際しているのではないかと示唆した発言である。
当時、サニーには交際相手がいた一方で、ショーンとも親しい関係にあったとされる。
ルッソによれば、ショーンはサニーに好意を抱いており、ブレットとサニーの関係を誤解していた可能性があったという。
さらにルッソは、当時のショーンの精神状態についても率直に語った。
「ショーン・マイケルズはその時、完全にハイになっていました。私は何も隠すつもりはありません。現在の彼とはまったく別人でした。彼は鎮痛剤か何かでハイになっていた。レスラーたちが服用する薬でしょうね。彼は完全にハイになっていて、それをそのまま口にしてしまったんです。彼は何も気にしていなかったんです。」
一方で、ブレット・ハートとサニーは当時から現在に至るまで交際関係を一貫して否定している。
ルッソ自身も、「実際には二人の間にそうした関係はなかった」と認めている。
それでもルッソは、ショーンの思い込みがモントリオール事件へと発展する大きな要因になったと考えている。
「この出来事、そしてショーンの勘違い、『サニー・デイズ』の発言が、まさにモントリオール事件につながったんです。間違いなく、あのセリフがすべての始まりだったと言えるでしょう。」
現在、ショーン・マイケルズはNXTの運営責任者としてWWEを支える立場となり、ブレット・ハートは現役を引退している。
それでもブレットは現在もインタビューなどで率直な発言を続けており、モントリオール事件について語る機会も少なくない。
30年近くが経過した今なお、プロレス史に残る最大の事件の真相には、多くのファンが関心を寄せ続けている!